2月はマスタードの花とアーモンドの花

アメリカの数少ない祝日のプレジデントデイの今日、義父のお墓に行ってきた。歴代の大統領の名前を全部知っていた義父を想う日としては最適な日。ここで思いもよらず、マスタードの花畑とアーモンドの花の果樹園をエンジョイすることになった。

カリフォルニアでお墓に行くのは、日本の「お墓参り」とはニュアンスが違う。私の知っている日本のお墓参りは、お水で墓石を清めてきれいに拭き、お花と線香をあげ、時にはお供物があったりするでしょ。

今日は、芝生の広い墓地で墓石を探して歩き回り、見つかったらしばしその前でお話しして終わり、というカリフォルニアらしいカジュアルな訪問。花はいらないという旦那さんの希望通り、献花なし。日本とは違う形でお墓に行けることを密かに満足して。時折強い風が吹いて、もしかしてなんかのサインかも、と思ったりしながら。

空軍に4年在籍していた義父は昨年亡くなり、軍用の国立墓地に眠っている。家からは車で1時間半ほどのセントラルカリフォルニアの緑のなだらかな丘に囲まれた、素晴らしく手入れの行き届いた墓地。心休まる。

フリーウェイをドライブすると、マスタードフラワーの目を見張る黄色のフィールドや薄ピンクの花をつけたアーモンド畑に目を奪われる。カリフォルニアはすでに春。花の写真を撮るために何度も車を停めて、時間を気にせずゆっくりと、いい時を過ごせた。キナ・グラニスの優しい歌声とアコースティックギターをバックグラウンドに。


アーモンド畑の花で思い出したのが、2年前に買って放置していたゴッホの「Almond Blossom」。1890年の2月に南フランスのサンレミの精神病院で、パリの弟のテオに子供が生まれたことを喜んで描いたという一枚だ。亡くなる少し前。

花が咲いた枝をいっぱいつけたアーモンドの木、ただそれだけが描かれている、浮世絵っぽい印象の絵。ブルーの空をバックグラウンドにして、シンプル。130年以上たったカリフォルニアでも同じ花が同じ2月に咲いている。今日のドライブで思い出させてもらったので、早速リビングの壁に掛けることにした。

数多いゴッホの作品の中でもなぜかこの絵に惹かれている。こういう「なぜか惹かれる」っていうのは過去性と関係があったりする可能性もある。

この南フランスのゴッホの足跡を少し辿ったことがある、独身時代に一人ヨーロッパ旅行をしたとき。その頃にマスタードフラワーのフィールドを一人駆けている夢を見た。イノシシに追われて走っているのだ。鮮明な色の夢で動物に追われて逃げているけど怖くない印象の妙に忘れがたい夢。これはイノシシ年にカリフォルニアで生まれた娘のことの予言だと密かに思っている。


アーモンド畑とゴッホの絵、マスタードフラワーのフィールド。お墓に行くのが目的だったけれど、自分と密かに何らかの関係があって幸せを感じさせてくれる、良い1日だった。今いる場所をゆっくり味わってみると、こんなにもゆったりとした美しい時を過ごせたこと、発見だった。

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