シリコンバレーのスピリチュアル

10年後の妄想をした後で、10年前を振り返って、今の自分が、あの頃の自分が描いていた自分に近いのだろうかと見てみるのも悪くない。でも、思い出してみようとするけど、10年前、自分は10年後の自分をはっきりとは想像していなかったようだ。当時、アップルで派遣社員をしていた自分は、正社員の職につきたくて、あちこちに履歴書を送っていた。それが冬。そして6月からテスラの社員になった。10年後のことをあれこれ思い描くより、目先の仕事をこなすことで精一杯だった。1日のタスク、それらをこなす毎日で、1週間、1か月、1年がバタバタと過ぎていく。そんな日常を送っている人、多いのかもしれないけど。私もそうだった。

2011年10月、スティーブ・ジョブスのメモリアルサービスが行われたスタンフォード大学で参列者に送られた箱、入っていたのは「Autobiography of a Yogi」日本語版は「あるヨギの自叙伝」。ジョブスさん本人が生前に選んでおいたそうだ。今日行ったマウンテンビューにあるスピリチュアルグッズがなんでも揃う、East West Bookstore で見た Inc.com の記事のコピーにそうあった。「これを読んで君たちも自己実現して本当に満足した人生を送ってくれよ」かな、聞こえてくるのは。

おすすめ度の非常に高いこの本、まだ読んでいなかった。さっそく Kindle 版で購入してみた。iPad で読もう。

iPad の第 1 世代が発売になったのは2010年。2010年と2011年は末端ながらも iPad 関連の仕事もさせてもらった。アップルのキャンパスでは、ジョブスさんがカフェテリア近くを歩いているところに出くわしたことがあった。痩せ細った彼は、やはり黒のタートルネックにブルージーンズだった。瞑想をしていたことでも有名な彼の最後のお勧めの本ということか、これは。

10年後にやっとたどり着いた。今まで、この本は何度も見かけたことがあったけど、あまり気にしていなかった。見ても読みたいと思わなかった。後からこの方超有名人だとだんだんわかってきたけど、読むタイミングはなかった。すべての出来事にはタイミングがあって、それが起きた時がベストタイミング。ジョブズさんを通して伝わってきたヨガナンダさん。今がベストタイミング。