マザーテレサになりたかった?

Instead, create the next best version of myself

その昔、自分でもマザーテレサ級の無償の愛を放つようになりたいと思ったことがある。内向型の人間で知らない人とはご近所さんとも話ができなかったりするのに、無償の愛をすべての人になどとなんて大胆無敵なことを。

結局、メンターはマザーテレサと思っていたけど、マザーテレサになるのはマザーテレサ以外誰にもできないし、なる必要はないのだと当たり前のことがわかって、メンタルヘルスの世界から去った。理由は他にも色々あって、自分の心のケアができてないから他の人のメンタルヘルスに向き合うことができなかった。自分には重すぎて。

そんな時の話。80年代、HIV検査の結果を渡すカウンセラーの仕事をサンフランシスコでしたことがある。まだエイズの治療法がなく、不治の恐怖の病として広がっていた頃のサンフランシスコでだ。検査結果が陽性の人に、この結果について話をするのは大変な仕事だ。


自分でこの仕事ができると思ったから応募したら、採用された。マザーテレサがメンターだと思っていた当時。
Yes, I can do this.

エンジェルのような最高に美しい顔の男性がトレーニング担当だった。トレーニングを終えて、さて、カウンセリングを始めてみると、相手のペースに呑み込まれて硬直することがしばしば。自分をすり減らす。あのトレーニング担当のエンジェルも陽性で、あの後亡くなったと聞いて本当に悲しかった。そしてある日、カウンセリングが終わって帰ろうと駐車場に停めていた車に戻ると、窓ガラスが破られていた。心が折れた。もう続けられなくなった。

あのカウンセリングで出会った人たちのこと、どうしてあげようではなく、もっと話を聞いてあげればよかった。ただ聞くだけでよかったのかも知れない。自分をすり減らすこともなかったかも知れない。ただそこにいて、話を聞くだけ、それがどんなに癒しになるかわかっていなかった。

Yes, I can do this. そうやってモチベーション上げて、高い理想を持って未知の世界に飛び込むことは大切。でもそれが、自分の心をすり減らすことだったら、ストップして方向転換していいんだよ。それは失敗じゃない。できなかったなんて、と自己嫌悪に陥ることも必要ない。

Instead, create the next best version of myself

ただ、XXXはできないと自分に制限をかけないで、次のレベルのベストバージョンの自分を目指せばよいのだ。

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