アテネ - 古代アゴラ

遠くにアクロポリスを望む牧歌的とも言える光景の広場。ここに人々が集まり、話し合ったり、市場で商いが行われたり、評議会や裁判もあったというのは世界史の教科書でも読んだかも知れない。オリーブの木陰に座って、紀元前5〜4世紀の古代アテネのここアゴラの喧騒にしばし想いを馳せる。タイムスリップできそうな気がする。さぞ賑やかだったでしょうね。中央を通る道はアクロポリスに続いていたという。ソクラテスもここにいた。

春、緑の多いこの風景、なんだか懐かしく感じるのは何故か。居心地のよい空間だ。

それが、オスマン帝国に制服された15世紀ごろになると、トルコ人でこんな活気のある感じだったそうな。それはそれなりに、人々は生活を営んできたのだ。

ストア

柱がずらりと並んだ美しい建物。これをアッタロスのストア(柱廊)と呼ぶらしい。戦いの勝利を記録する絵画が展示されていたというから、絵画のあるポーチとかギャラリーとか言う意味。市民達はここに来て武勇伝に浸ったり、子供達に「アテネはこんなにすごいんだよ」って見せたりして、自分たちの栄華を堪能していたに違いない。ここには市場や事務所などもあって、また、哲学的な会話や教えも行われていたから、そこから哲学のストア派という名前も生まれた。今日、再建された美しい建物内部は、陶器など出土品の並ぶ見応えのある博物館になっている。投票に使われたと言う陶片も、幼児用の陶器のおまるも展示されているから面白い。

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アテネ - アクロポリス